本の紹介『関ヶ原』

天下分け目の合戦です。

司馬遼太郎 『関ヶ原』[Kindle版](上)(中)(下) 新潮文庫、1974年

今まで歴史小説は読んだことがなかったのですが、息子が中学受験で歴史の勉強をしているときに一緒にやっていて、あまりに自分が歴史に詳しくないということを痛感。そこで何か読んでみようとした次第です。ちょうどそのときに豊臣秀吉あたりをやっていたので、関ヶ原の戦いを選んでみました。

選んだ理由としては、かつて上巻を読み始めていて、最初のところで止まっていたというのもありますが、徳川家康の関ヶ原の戦い以前、そしてそれ以降の大坂の陣も含めて、武士として何か惹かれるものがあり、読んでみました。

最初は描写がだらっとしているような印象もありましたが、合戦に向けて動き始めたあたりから面白くなってきました。合戦自体は下巻の半分くらいしか描写がありませんが、それまでの駆け引きなどは面白かったです。

徳川家康は老獪な戦略家、石田三成は頭は切れるが詰めが甘いといった書き方かなと思います。この辺は文献がどれだけ残されているかにかかっていると思いますが、「司馬遼太郎ワールド」は実感できました。

私自身はあまり政治的な駆け引きには興味がなく、それだから割を食うという面も否定しませんが、会社で生き残るためには多少のズルさは必要なのかなと思いました。

これからは大坂の陣を書いた『城塞』も読んでみて、総合的に評価してみたいと思います。そういった意味では、見たことのない大河ドラマではありますが、昨年の真田丸を見逃したのはやや残念ではあります。

ひとまず星4つです。

評価:★★★★☆

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