本の紹介『SHOE DOG―靴にすべてを。』

NIKEの創業者です。

フィル・ナイト 『SHOE DOG(シュードッグ)―靴にすべてを。』[Kindle版] 大田黒 奉之訳、東洋経済新報社、2017年

ナイキの創業者の著書です。ナイキの立ち上げから成長軌道に乗せるまでのストーリーです。いまや誰もが知るスポーツアパレルメーカーですが、初期の苦戦などが語られています。意外だったのは、日本の会社と繋がりがあることです。まずは現在のアシックス、当時のオニツカタイガーをアメリカに輸入して販売し始めたのが発端であったり、その後にオニツカともめたときに日商岩井との取引があったり、初期の生産は日本の会社が行っていたりと、日本に何度も足を運んだことが書かれています。

この記事を書いているのは箱根駅伝が行われている1月2日ですが、年末にはTBSでドラマ「陸王」をやっており、マラソンシューズに関わる話だったので、並行して楽しく読むことができました。陸王でもそうでしたが、いかに一流選手との契約を取り付けるかで売上を大きく左右することになりますので、一流選手に履いてもらうための努力は並々ならぬものがあります。ナイキもやっと見つけた選手が活躍し始めたところで交通事故で亡くなる、約束まで取り付けた一流テニスプレイヤーに約束を反故にされるなど、大変な苦労が紹介されています。

その他、理想的なソールを作るためにワッフルを焼く機械を何台もダメにした、創業から10年以上資金繰りに苦労したなど、なかなか熱い話が数多く紹介されています。また、ご子息をダイビングの事故で亡くすといった悲しい話も盛り込まれています。

諦めず、誠実に事業を行わないと成功しないんだなというのは、改めて感じた部分です。

一方で、個人的な趣味としてはマイケル・ジョーダンを始めとするスーパースターとの関係がさらっとしか書かれていなかったので、そこをもうちょっと知りたかったなというところですが、そこは著者の意図とはズレる部分でしょうから評価には含めないこととします。


評価:★★★★☆

コメント

このブログの人気の投稿

通信三田会からの誘い

2021年度慶應義塾大学卒業式。そして卒業について思うことと心境の変化

keio.jpの登録